公的支援の限界

過ぎたるは及ばざるがごとし・・・。

中小企業支援の大義のもと異次元の支援施策がここ5年展開されている。

支援する側の我々もそのおかげもあり年々中小企業への支援もいろいろな

メニューを活用しながら展開できている。

ただ、ここ最近はいささかやりすぎではと思うことが多くなっている。

本来役割ではないところまでを支援との名目で対応する支援機関や

公的機関が増えている。そのため、支援メニュー等が多すぎて本来の企業の

為というよりも支援側の理屈で形式的に運営されているようなものが増えて

いるように思える。税金で運営されているために無料というなんとも・・

というものも増えているのが事実である。

しかし、本当に経営革新を図ったり会社を変えていくにはお金と時間は

ある程度投資しないといけない。中小企業経営者のモラルファザードは年々

低下しているようにも思える。さらにそこに乗っかるコンサルタントも多い。

身銭を切っている顧客は常に真剣である。そのやり取りは公的支援のコンサル

ティングとはやり取りの重みが違う。そういった意味で、公的支援の効果は

限定され、投入した税金以上にはならないと私は常々思っている。

我々コンサルタントは付加価値サービスを提供している。

喉から手が出るほど欲しいコンサルティングサービスを提供すべきだし。

安売りはすべきではない。このままいくと中小企業コンサルティングの分野

は真のコンサルタントが育たないのではと危惧している。

まさにいろいろな意味で「過ぎたるは及ばざるがごとし」な状態である。

銀行のビジネスモデル

3大銀行がリストラに走り始めた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171029-00000001-fsi-bus_all

低金利とフィンテックの台頭による環境変化を受けて大手メガバンクは

大幅な人員削減計画を発表。希望退職等による人員整理は行わないが

採用を抑制して付加価値の高い業務に人を再配置すると発表。

今の金融機関を3つの視点から思うところを述べてみる。

・行員のモチベーションが低下している

多くの金融機関で若手金融マンの離職が相次いでいる。希望がない、未来がないとの

理由からあっさりと職を辞すという。旧態依然とした上意下達な組織はもはや限界が

生じ環境変化に敏感な若い職員ほど辞めていく。とうぜん、残った人間のモチベーシ

ションも低く。半沢直樹のような熱い金融マンは年々少なくなっている。当然低い

モチベーションでいいサービスができるとは到底思えない。

・銀行は時代の役割を終えてしまった

日本の銀行は押し並べてかつての商業銀行の域を脱していない。いまだに預金を集め

融資をして利ザヤを稼ぐモデルがメガバンクから信用組合まで規模は違えども同じ

である。そのため、特色もなく顧客目線にもなっていない。顧客が望まないサービス

や代替えがきくサービスは年々ネットに置き換わっており。何もこの点は金融機関

だけがさらされているわけでもない。しかしながら一番対応すべき金融機関が何より

も遅れている。金融機関にありがたみを感じている経営は思ったよりも少ない。

・新たな事業は融資による資金調達を必要としない

多くの企業を支援している実感としてこれまでのような大きな設備投資や借入を

行っての事業は今後起こりにくい。銀行のビジネスモデルは情報の非対称性が

成り立つ事態に効果を発揮したモデルで、ネットを活用してリーンに事業立ち上げた

資金調達が可能になる時代には成り立ちにくいモデルである。今後、銀行融資を必要

とする事業は益々減少していくだろう。融資をメインの収益にする事業で今の

銀行が今の地位を維持するのは至難の業である。

しかし、その中でも生き残る金融機関は確実にある。かつてドラッカーはその著書の

中で金融事業者で生き残る事業者は2つであると述べていた。

一つは世界一、業界一位のサービス提供ができる金融機関。それともう一つは顧客に

寄り添い顧客を知り尽くした金融機関。後者は多少ノウハウやスキルが劣っても生き

残ると述べていた。実際に事例を挙げると。

・稚内信用金庫

・但陽信用金庫

・東邦銀行

等は法政大学大学院の政策創造研究科、坂本光司研究室でも際立った取り組みを

行って地域の支持を得ている。学ぶべき金融機関と言えるだろう。

とちぎ経営人財塾OBOG交流会2017

毎年恒例のとちぎ経営人財塾OBOG交流会が開催されました。

共に学んだメンバー、同じ考えを持つ1期、2期、3期のOBOGに多数ご参加いただき

ました。

OBOGを代表して税理士法人あすなろ、代表社員の恩田税理士、

ビューティアトリエグループ代表の郡司社長に受講後の実践報告をシェアいただきま

した。

受講生同士の数々のビジネスマッチングも行われています。

この中から「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」受賞企業が1社でも

多く出ることが一つの目標です。

本当に激熱な時間を共有できました。本気になって自分の会社のことを

考える時間ってあるようでないのが多くの会社を見ていると感じる現実です。

でもここに参加されている皆様は、激しく変化する環境に真剣に向き合って

会社をよくしよう、いい会社にと行動している前向きな方ばかりです。

今年も受講生から代表者就任、取締役就任、昇進とのご報告をいただきました。

心からおめでとうと言いたいです。

5期、10期と続けていくことが弊社の使命だと改めて感じた時間でした。

サクシードのすごさ

台湾優良企業視察から帰ってきたら朗報です。

弊社は栃木銀行主催の女性起業家ビジネスコンテストのメンターとして

昨年に引き続き最終選考に残った方のビジネスプランブラッシュアップ

を数か月かけて支援しております。昨年は弊社が支援したバーテンダーの

原さんが栄えある第1回目のグランプリに輝きました。

今年は犬専門のフォトスタジオ開設の星さんをここ数か月支援して参りました。

その星さんがなんとグランプリに選ばれたとのこと。お客様の未来創造が弊社の

商品・サービスでお客様の成果が何よりの喜びですので本当に喜ばしいことです。

しかも支援先が2年連続グランプリとは。私自身圧巻でした。

女性ならではの視点と新規性を兼ね備えたブランのため支援する側にもかなりの

スキルが必要になります。弊社ではその辺が得意なのが齊藤コンサルタントの

ため毎年専属で支援に携わってもらっています。彼女の支援は私から見てもかなり

レベルが高いためほかの案件でも安心して任せられる存在です。

社員の成長が会社の成長を日々実感しております。改めてうちのスタッフすげー、

サクシードすげーじゃんって素直に思ってしまいました。

皆さん本日も激熱でいきましょう♪

 

台湾優良企業視察・鼎泰豊(ディンタイフォン)

1.「人を大切にする経営」は経営における世界共通の原理原則である

最初に訪れた世界14か国、140店舗展開し、世界のベストレストラン10傑にも選ばれている世界的な飲食チェーン鼎泰豊(ディンタイフォン)。

ディンタイフォン 本社

 

経営理念は、「勉強し続ける」、「品質を高める」、「人の育成」の3つを柱としている。人件費比率は55%と業界の常識を逸した数字である。現場のスタッフがコンサルタント的な立場で世界各国の店舗に派遣される。

商品説明をしてくれた日本語堪能なスタッフ

楊社長が「人を軸にして経営を行っていかないと、いいサービス、いい商品は提供できない。品質は命であり、ブランドは責任、これを果たすために必要なこと」と言っていたことが特に印象的である。どこの国であってもいい会社は人を軸にした会社づくりを行っている。

お話しいただいた楊社長

2.業種や業態は人を大切にする経営を行う上で制約要素にはならない。

今回は台湾を代表するサービス業から世界的な製造業までの視察を行った。どの会社でも人を軸にした経営を行っており、各施策等には人を大切にするエッセンスがそれぞれに盛り込まれていた。製造業においてはサービス業的な考え方を取り入れており、新商品開発などは常に社員の意見を聞きながら年間計画を立てて新たに生み出している。

高雄市のサイバーテック社

特に日本においては生産性が低いサービス業においてこそ今後、大きな伸びが見込める。特に観光産業、1次産業を絡めた体験サービスなどは世界共通で需要が伸びている分野である。したがって、日本においてこの分野で生産性を高めるためにはこれまでの長期的な視点を持ち業界の常識を覆すような取組を行っていく必要がある。業種、業界の慣例は環境適応するにあたっての足かせにすらなりつつある。

スタッフの皆さんの説明がすばらしかった

社員の方が我々に自宅で取れた果物を差し入れておもてなしをいただいた

3.人を大切にする経営を実践する会社にはオリジナルかつ付加価値の高い商品・サービスがある。

社員に手厚い待遇を行うには当然、収益の高さがポイントになる。働き方改革においても、生産性の向上は必須である。しかし、生産性の向上はオーナーや株主の利益の極大化を目指すための取組ではなく、社員とその家族を含めた組織構成員の幸せを向上させるための取組でなければならない。大切にされた社員は、自分たちの将来のため明日の仕事を創造するようになる。インターネットが普及した時代、現場に近い社員の意見を商品・サービス開発に反映させる仕組みが大切である。社員を積極的に新商品・サービス開発に参画させて5年後、10年後の飯のタネを創ることがいい会社になる近道である。

3社目に訪問したLUCIDITYのエントランスは圧巻。勤続10年以上の社員の名前が飾られている。同時に高齢で退社した方の名前の横には退社日が。離職はほとんどない。

40にして惑わず

10月23日は40歳の誕生日でした。孔子が「30にして立つ、40にして惑わず」と言って

いますが、

自分の人生本当にそうなっているなと改めて感じた一日でした。

30で銀行を辞める決意をして31で大学院に入学。32でサクシードを起業しました。

おかげさまで今では素晴らしいお客様と、スタッフと共に毎日楽しくやれせていただ

いております。いろいろな経営の在り方をこれまで学んだり、自分でも実践してきま

したがやはり恩師の坂本光司先生のおっしゃる「経営とは5人の幸せの追求」という

考え方を追求してきたことが何よりの成果だったと思います。おかげさまでスタッフ

一人一人が成長し、その結果会社も成長しつづけております。

今後はさらに社員とその家族の幸せ、お客様の幸せの追求のため力一杯前にすすんで

いきたいと思っております。

人生一度きり、皆様本日も激熱でいきましょう♪

中小企業診断士:養成課程授業

法政大学大学院 イノベーションマネジメント研究科 中小企業診断士 養成課程

の授業で日ごろの実践をお話しする授業を毎年ご依頼いただいております。

8年前に私も在籍していた研究科ですので、いつも懐かしい気持ちでお引き受けさせて

いただいております。

30名ぐらいの受講生でしたが、まじめに中小企業診断士として歩んでいきたい

という気持ちが伝わってきました。

質疑応答の時間も独立後の内容の質問が多く真剣に独立を考えているかたが多い

ことが伺えました。一人でも多くの方に、中小企業診断士になった暁には、

中小企業支援に携わっていただきたいと思います。

皆さん、本日も激熱でいきましょう!