幸福の4要素(人を大切にする経営学会第5回全国大会初日)

人を大切にする経営学会第5回全国大会に参加しています。テーマは「働き方改革と人を大切にする経営」です。昨今の働き方改革は人を幸せにするのか。やり方よりもあり方。仕組みよりも文化、風土。その上に手段としての各論があるような気がいたします。大企業などはコンプライアンスがあるから働き方改革と本末転倒な取り組みになっている会社が多いようです。ここに参加しているといかに世間が間違った方向に進んでしまうのかが理解できます。働き方改革は人が幸せになるためにやるべきです。

※年間休日日本一の未来工業の山田社長
報連相禁止の意味とは
報告と連絡と相談はそれぞれ違う。最初に報連相という言葉を作った会社はすでにつぶれた。報連相を徹底するキャンペーンで上手くいった会社はない。
残業は禁止
残業していないわけではない。残業して作った製品は原価が高くなる。しかし、その原価を売価に転嫁できない。時間以内に作れる製品で勝負することを心掛けてきた。
未来工業は自分らしくこれまでやってきた。これからも自分らしくやっていく。

 

※応募が殺到する介護施設エイチ・エス・エーの田中社長
・立憲主義(平等な権利と公平な評価)
・情報公開(個人情報以外は公開)
・業務内容に対する労働対価の明示
・働き方の選択(プレイヤー、プレイングマネージャー、マネージャー)
・事業計画による労使協議
・成長促進のための勉強会・研修

なかでも事業計画策定期間を労使交渉の場にしているところ、評価制度は廃止してすべてエントリー制度に切り替えた。ティール型組織の一つのモデルかと思います。

※幸福学の慶應義塾大学の前野教授。
幸せを感じている社員は生産性が1.3倍、創造性で3倍、売上高で1.4倍の開きがある。
幸せの4つの条件は
・やってみよう
・ありがとう
・なんとかなる
・ありのまま
この4つを満たすことで幸福度が向上する。

・働き方改革をするのであれば幸せ度を上げる
・無理やり無駄をなくすより無駄を増やすこと。
・短期的に生産性を上げるより、幸福度をあげて長期的な生産性を上げていく。
・改革は大きく変えて、全体を変えていくこと
・働き方改革は全体として大きく考え方を変える。幸せという軸で考えていく。
・時短より従業員幸福度。

働き方改革もこれらを理解して進めることで本質的に会社が良くなっていきますね。

幸せ度を上げるのも案外簡単に出来そうです。不思議なことは幸せについて話すと

会場の雰囲気も変わるということです。よくいい会社を訪問すると入った時の雰囲気

でその会社の良し悪しがわかります。いい会社かどうかも経営者はじめ社員の幸福度

に比例しているのですね。興味深い研究でした。