人を大切にする経営学会関東支部北関東部会~平成の小山評定~

1600年、徳川家康は小山における諸将との評定により上方の石田三成と決戦することを決意し関ケ原の合戦に至りました。その後、徳川家康が一気に天下人に駆け上がったことからもフォーラムが開催されました栃木県小山市は開運の町として知られています。12月4日その栃木県小山市にて北関東部会設立、公開フォーラムが開催されました。今回、私は開催県の設立準備委員として関わらせていただき、関係機関を訪問する中多くの方の反応から今後の部会の広がりに手ごたえを感じておりました。そして、当日は定員オーバーの230名のご参加をいただいたことは、本学会が世の中に必要とされ、地域社会にさらに大きな影響を与えていくことになることを確信した一日となりました。

フォーラム当日は、北関東部会会長赤岩茂先生による設立趣旨を含めた事業計画発表から始まり、

230名越えの方にお申し込みをいただきました

学会会長 坂本 光司教授 「業績ではなく、人を大切にする会社がいい会社」

株式会社坂東太郎 青谷洋治会長 「売上ではなく幸せ日本一のレストランをつくる」

東海バネ工業株式会社 渡辺 良機社長 「ばねづくりは人づくり」

と題し3名の演者の方々にご講演をいただきました。

坂本教授から人を大切にする経営のあり様を、そして、この考え方をベースに実践してこられた青谷会長、渡辺社長に具体的事例の数々についてお話しいただきました。

私なりに3人の講師の先生のお話をお聞きして3つのポイントをまとめると

・人を大切にする経営の実践には経営者、社員双方の覚悟が必要。

・仕事によってのみ人は成長する。そして、幸せになりたくない人はいない。

・真の顧客満足とは社員満足の上に成立し、決して商品のスペック、品質、価格のみではない。

会場は演者の先生方のお話に終始圧倒され、エピソードの場面では感動して涙を流している方もたくさん見受けられました。私は坂本教授の研究室に所属しておりますが、先生はいつも経営の意思決定の基準として「正しいか、正しくないか、自然か不自然かを、大切にしなければいけない5人に照らし合わせて考えれば間違いはない」と我々に説かれています。今回のフォーラムにおいても経営のお話であるにも関わらず、そこには一切、売上や利益という概念は最初には出てきません、哲学、原理原則、教育論のような内容です。長期的視点を持ち、目先の業績や利益を超越したところに人を大切にする経営があることを改めて認識いたしました。

懇親会も大勢のかたにご参加いただきました

今後北関東部会は赤岩会長を中心にこれらのミッションを持って運営されていくことになります。

・北関東地区において「人を大切にする経営」を啓蒙、広げていく活動を行う

・地域の先進的事例企業から真摯に学ぶとともに、参加企業間交流の促進を行う

・日本でいちばん大切にしたい会社大賞応募企業を地域から輩出する

さらに多くの人を巻き込んで、人を大切にする経営の輪を北関東地域に広げていく起点にしていきます。

3月には沖縄支部が設立される予定とお聞きしております。地域支部が全国をカバーすることになります。会員の皆様がそれぞれ地域において、人を大切にする経営の志をともにする仲間と交流を図り、切磋琢磨することが可能になります。学会設立の趣旨である『「業績や勝ち負けではなく、人をトコトン大切にしている企業こそが、好不況にぶれず好業績を維持・継続している」という近年の先行研究の深化・体系化と、人を大切にする経営学の普及・浸透』がますます日本全国に広がることを考えると、今回の北関東部会設立フォーラムは「平成の小山評定」と呼ぶにふさわしい会だったかと思います。最後に、設立に向けてご協力いただきました皆様、また栃木の地に遠方から運営のため駆けつけて頂いた学会本部事務局、坂本光司研究室有志の皆様にはこの場を借りましてお礼を申し上げたいと思います。